ブービーキッズ
メーカー:ニチブツ(日本物産)

主人公は(名前忘れた)、なぜか原始時代にとばされたので、原因を探るためと元の時代に戻るためにタイムトラベルするゲーム、といってもよくわからないか(説明書がなくなったので、僕もよくわからない)。わかりやすく言えば、発展型「平安京エイリアン」だ。

ブービーキッズのここがすごい!

穴掘って埋める

「平安京エイリアン」とは、平安京に現れたエイリアン達を、地面に掘った穴に埋めてしまうというアーケードゲームである。当時(ファミコンが普及するより前)大ヒットしたらしいが、これをファミコンで見事蘇らせたのが、この「ブービーキッズ」。といっても舞台は平安京ではなく、原始時代から未来まで、ゲームの舞台は次々と変化する。また目的も敵を倒すことではなく、ステージの各所にあるアイテム(原始時代は椰子の実、江戸時代は巻物、・・・)を全部集めて、タイムトラベルの扉に入ることである。
ゲーム自体はかなりバランスが考えられていて、骨のある難易度も手伝って、中毒性がかなり高い。「敵を埋めて倒す」というシステムは平安京エイリアンのパクリだが、ファミコンからゲームに入った子どもたちにはそんなことわかるはずもない。かくしてこのゲームは大ヒットした・・・と思ったら、そうでもなかった
何故だろう。敵を埋めるという倒し方がいけなかったのか?何せ原始人は埋める恐竜は埋める忍者は埋める、果てはロボットまでも埋めてしまう。(ロボットは埋めて倒せるものなのか?)そもそも主人公は「キッズ」だ。邪魔するやつは生き物だろうが何だろうが埋めてしまえと結論づけてしまう子ども。いったい親はこのガキにどういう教育を施したのだ。
なるほど結論。このゲームはPTAの有害指定を受けたゲームだったに違いない(大嘘)。

不気味な操作性

もっとまじめに考えてみよう。このゲームの難点を挙げるとすれば、ファミコンの限界であろうその操作性である。ただ動くだけならプログラム上問題はなかったはずだが、ゲーム中主人公はただ動き回っているわけではない。穴を掘る。このゲームシステム上最も重要な動作が、結果的にゲームの難易度を上げてしまったのだ。
ファミコンのグラフィックは、基本的に32×32(16×16だったかな?)ビットのパネルを、タイルのように画面上に並べて作り出す(ドラクエのマップを思い出せばよくわかるだろう)。そして掘った穴や埋めた穴(敵を埋めると、そこは土が盛り上がった状態になり、再びそこに穴を掘れなくなる)のグラフィックも、マップ上に現れる以上、この32×32ビットに合わせた方がプログラムの際都合がいいわけである。しかしそうすると、画面上の主人公もそのプログラムに合うように動いてくれないと、穴を掘るときに困るわけで、結果主人公はタイルを渡り歩くような規則正しい動きをするようになる。わかりやすく言うと、ちょこんと方向ボタンを押しただけで、キャラクタは1タイル分動いてしまう。プレイヤーの入力とキャラクタの動きに大きな誤差が生じるわけで、その結果、敵との間合いが非常に取りづらく、慣れないうちは敵に近づこうとするだけで衝突してしまい、自分が掘った穴に落ちてしまうことがあまりに多い。要するに操作性が悪いということだが、はっきり言ってこの種の操作性の悪さはファミコンのクソゲーにありがちなもので、最初の数十分のプレイで「これはクソゲー」と判断され捨てられてしまいがちである。慣れてくればこのゲームが意外とパズル性が強いことにも気付くわけで、それがこのゲームの真の楽しさであるわけだが、それに気付く前に、「いらいらするアクションゲーム」と評価してしまうのは勿体ない。パズルゲームと割り切れば、不思議とこの操作性が必然ではないかという気持ちになってしまうものなのだ(この法則はファミコンにのみ通用するもので、スーファミ以降はおそらく通用しないだろう)。

何だかまともなレビューになってしまったが、たまにはいいか。余談だが、PCエンジンで、ハドソンから「ドラえもん」というゲームが発売されたのだが(何種類発売されたかは知らないが)、その中の一つを見て驚いた。明らかに「ブービーキッズ」なのだ。若干攻撃方法が多彩になっているが、掘った穴に敵を埋めるという攻撃方法はもちろん、敵キャラのグラフィックなんかまるでそっくり。著作権などどうなってるんだと思ったのだが、古参大手のハドソンがそんないい加減なことをするとは思えない。ということは、ニチブツから使用許可をもらったのか、それともスクウェアではやりの引き抜きか。いずれにしても、この「ドラえもん」が比較的高い評価を受けていたことを考えると、やはりブービーキッズは不当な評価を受けていたことになる。ニチブツ製というのがいけなかったのか?

他の能書きも一応見てやる
おまえ何かうるさいだまれ